2019(令和元)年度(第21回)2.法政大学 地域研究センター

〇テーマ:

「シェアリングエコノミーを活用した高齢者と地域をつなぐ社会参加プログラム~つくば市での多世代交流プログラム実践とコミュニティケアの構築~」

〇実施内容:

2020年5月から2021年3月までに毎月2回程度、多い月には6回ほど、オンラインによる「健康のイロハ」、「音楽療法de歌おう」「介護の日」等といった内容のイベントやオンラインサロン等を継続して実施した。イベント回数は56回で、サロン参加者はのべ475名、高齢者の参加者はのべ307名、YouTube Liveには147名が参加した。

〇事業の効果:

1)STAYHOMEにおけるシニアの生活状況を把握する
新型コロナウイルス感染症拡大による急激な社会環境変化が多面的に起こっていった。シニアにおいてはよりリスクが高い存在であり、外出が困難となり社会的孤立が早期から問題視されていた。特に地域活動実施が困難になる、医療介護サービスへの参加ができなくなる、近隣に住む家族もサポートができなくなるという状況がみられ、より深刻であることが推測された。

これまでの実践により、地域のつながりやICTプログラムについて早期より踏み出すことが可能であった。特に学生からシニアにICTサポートを行う多世代交流については満足度が高く、新しい生活様式として可能性が示唆された。

2)オンラインサロンはシニアの生活サポートにおいて
まずオンラインサロンがシニアに利用可能かといった実証よりスタートした。全く利用したことがない方が多いこと、緊急事態宣言下では対面で教えることが難しい点が大きな阻害要因であった。緊急事態宣言前に行ったプロトタイプ実験において、説明がない段階でもシニアがビデオ通話を通したプログラムを認識していたことが実証を進める大きな要因であった。

その後、地域活動主催者のオンライン化とともに、シニアのオンライン環境とスキルを整えるプログラムを実行していった。認知症高齢者や独居高齢者でもサポートを適切に行うことで、月10回程度活用される事例等も出てきていた。

3)社会実装は可能であるのか?
大きな障壁はシニアにはオンラインは無理であるという認識とモチベーションやきっかけ作りであった。地域協力者を得ていくこと、実践例を紹介する活動を続けていくことで徐々に世の中に参加する機運の変化が見られていった。しかしながら、機材、通信、リテラシー、プログラム等まだまだシニアのICT利用については環境整備が必要であり、制約が未だ多いのが実情である。

〇掲載資料: