2019(令和元)年度(第21回)7.国立大学法人 筑波大学 筑波大学附属大塚特別支援学校

〇テーマ:

「知的障害のある高校生の心のバリアフリー交流(2020年版)」

〇目的:

1)知的障害のある高校生が、校内に開設した「えがおルーム」(交流室)で喫茶運営を通じて保護者、卒業生、クラウドファンディングの支援者等と交流を行う。校内喫茶の運営を通じて、障害のある生徒にとって「人の役に立つ」「人に喜んでもらう」経験を通じてキャリア形成を狙うとともに、様々な性別、年齢、職種の人々とのインクルーシブ交流の場とする。

2)知的障害のある高校生が、知的障害のない高校生とホームページを介した日常生活の情報発信(体験した出来事の報告や感想等)や、オンラインビデオ会議システム(Zoom)を活用しアダプテッド・スポーツを通じたインクルーシブ交流を行い、障害のある生徒と障害のない生徒の相互理解を深める。

  実施日 実施内容
2020年 7月2日 筑波大学附属駒場高等学校とオンライン交流。
9月~ 助成金により、冷蔵ショーケースを購入、教師によるメニュー開発、及び研修作業学習の時間に、助成金で購入した製菓材料を使用して生徒と共に製菓業務の実施。教師や保護者を対象とした校内カフェを実施し、助成金で購入した材料で作成したお菓子をサービスするカフェ運営の授業を実施。
10月29日 筑波大学附属坂戸高等学校とオンラインスポーツ交流を実施。
12月9日 新潟アルビレックスランニングクラブ右代織江選手へのオンライン製菓教室を実施。
2021年 1月、2月 助成金を使用した材料購入、レシピの研究開発、生徒と製菓業務を継続。
〇事業者のコメント:

新型コロナウイルス感染症感染拡大予防対策のため、通常の授業はもちろん、多くの変更と制約をせざるを得ないことも多かったが、助成金を生かし、充実した活動を行うことができた。
(1)改良したお菓子のレシピ(動画レシピ)を7種類作ることができた。
⇒昨年度の5種を改良し、さらに2種を追加した。

(2)クラウドファンディングに挑戦したことにより、物的環境(製菓の道具・カフェを行う交流ルーム)を整えるとともに、地域を超えた人とのつながりを作ることができた。
⇒事業費で購入した冷蔵ショーケースを常設できた。整った環境でトレーニングすることで、環境の変化が苦手な知的障害のある生徒の理解が深まり、接客技術が向上した。

(3)オンラインを通じた交流及び共同学習に取り組むことができた(同世代の高校生、オリンピックを目指すアスリート)。交流を通じて、オンラインならではの利点と課題(*)を知ることができた。

    • *オンライン交流の利点と課題

 

    • 【オンライン交流の利点】

    • 交流会の内容を小分けにすることで、短時間で実施することができる。
    • 移動にかかる時間が不要なため、遠隔地との交流が可能。
    • 内容を工夫することで、会場の確保や設定に小回りが利く。

【オンライン交流の課題】

  • スムーズな進行のためには、ルールの確認等事前に詳細な打ち合わせが必要。
  • お互いに用具や道具の準備をすることが必要。
〇掲載資料: