2024(令和6)年度
講座名 『仏教の各宗派における教えとその特徴 ―死生観について―』
サブテーマ | 宗派 | 講師(敬称略) | ||
第1講 | 天台宗の葬送儀礼とその意義 | 天台宗 | 木内 堯大 | 大正大学 仏教学部仏教学科 准教授 |
第2講 | 真言宗と光明真言 | 真言宗 (豊山派) |
粕谷 隆宣 | 大正大学 仏教学部仏教学科 准教授 |
第3講 | 真言宗の祈りの世界~葬儀と経典の解説~ | 真言宗 (智山派) |
佐々木 大樹 | 大正大学 仏教学部仏教学科 准教授 |
第4講 | 浄土宗の死生観―相対的二元論― | 浄土宗 | 林田 康順 | 大正大学 仏教学部仏教学科 教授 |
第5講 | 念仏が念仏を申す・一遍上人の教え | 時宗 | 長澤 昌幸 | 大正大学 仏教学部仏教学科 准教授 |
日本は死亡者数が増加の一途をたどっているが、ここ数十年の間に、死が日常から遠ざけられたがために、近しい人の死をどう受け止めればよいのか、死別の悲嘆にどう向き合えばよいのか、戸惑う人も増えている。そのような社会背景から、近年、「グリーフケア」(喪失による悲嘆のケア)が注目を浴びている。
しかし、すでに2500年前、釈尊は我々が避けられない苦しみとして「愛別離苦」(愛する人との別離)を示している。仏教、とりわけ大乗仏教は「悲」に重きを置く宗教である。日本仏教にとって、死別の悲嘆はなじみの深いテーマである。日本仏教はデスエデュケーションやグリーフサポートの機能を果たしてきたといえるだろう。
地縁・血縁が薄れゆく長期的な傾向のなかで、死別の悲嘆に苦しむ人を支える働きを、どのように再活性化していけるのだろうか。仏教の現場でもさまざまな捉え返しや新たな試みがなされている。
日本仏教の愛別離苦への向き合い方や悲しみへの深い洞察は、現代に生きる我々にとって、今も価値あるものであり続けているはずだ。本講座では、今一度、各宗派の教えと実践に関わるお話をうかがい、日本仏教の現代的な働きを見直し、人々の生死を支えるシステムとしての意義を問い直す。
形 態…オンデマンド(全5講座一斉配信)
主 催…学校法人 大正大学
後 援…一般財団法人 冠婚葬祭文化振興財団/一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会/互助会保証 株式会社
2023(令和5)年度
講座名 『コロナ禍と死の受容』
タイトル | 講師 | (敬称略) | |
第1講 | グリーフケアとしての葬儀 ―コロナ禍以降の変化と影響 |
髙瀨 顕功 | 大正大学 社会共生学部公共政策学科 専任講師 |
第2講 | 現代の月参りの実態とその効果 | 小川 有閑 | 大正大学 地域構想研究所 研究員 |
第3講 | スペイン風邪禍の生と死 | 弓山 達也 | 東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院 教授 大正大学 大学院文学研究科 非常勤講師 |
第4講 | スペインかぜ時代のフロイト | 池田 暁史 | 大正大学 心理社会学部臨床心理学科 教授 |
第5講 | 孤独・孤立と新たなケアの文化 | 島薗 進 | 大正大学 地域構想研究所 客員教授 |
コロナ禍も一段落した現在、社会活動はコロナ以前の勢いを一見取り戻したように見えます。しかし、コロナ禍以前から存在した人びとの孤立化や格差の拡大などの動向は、コロナ禍によってむしろいっそう進んでいるようでもあります。そしてそのような変化は、現代日本の宗教や精神文化・儀礼文化のあり方の変動にも深く関わるものです。ここで今一度、宗教や精神文化・儀礼文化に力点を置き、コロナ禍とは何だったのか、そこで生じた変化を私たちはどう受け止めていくのか、約100年前に起こったスペイン風邪が何をもたらしたかを思い起こしつつ、ともに考えていきましょう。
形 態…オンデマンド(全回一斉配信)
主 催…学校法人 大正大学
後 援…一般財団法人 冠婚葬祭文化振興財団/互助会保証 株式会社
2022(令和4)年度
講座名 『ケアの文化と心の伝統―地域社会で求められるケアについて考える―』
タイトル | 講師 | (敬称略) | |
第1講 | 「地域共生社会」と「ケア」の文化を考える | 村木 厚子 | 津田塾大学 客員教授 |
第2講 | 新たなケアの文化と地域社会―精神文化の役割の変容 | 島薗 進 | 大正大学 客員教授 東京大学 名誉教授 |
第3講 | 看取りと仏教 | 大塚 伸夫 | 大正大学 前学長 大正大学 仏教学部 教授 |
第4講 | 都市における孤立と仏教的な支縁 | 吉水 岳彦 | 大正大学 非常勤講師 |
第5講 | 支援は地域・現場・当事者の視点で | 片山 善博 | 大正大学 地域構想研究所 所長 |
第6講 | 地域の多様な組織・団体との連携と協働~地域共生社会の実現に向けて~ | 神山 裕美 | 大正大学 社会共生学部 教授 |
少子高齢化、また大都市への人口集中と地域社会の人口減少、ひいては過疎化が進むなか、人々の個人化、孤立化も目立つようになってきています。とりわけ新型コロナウイルス感染症の流行により、人と人との距離が広がり、日々の辛さ、寂しさが大きなストレスとして認識もされました。
こうしたなかで、全国的に地域社会で孤立化しがちな人たちや弱い立場の人たちに対して、また住民相互の間で新たなケアのあり方が模索され、試みられています。行政が推進しようとしている地域包括ケアも住民の自発的な関与なしには成果がおぼつかないところでしょう。行政や医療・介護・保育等の機関だけでなく、市民の参加とともに、仏教寺院や神社や教会などの宗教施設や宗教者の貢献も期待されています。医療・介護施設と家族に委ねがちであったケアを新たな形や新たな場で提供しようとする試みも見られます。こうしたケアの分野の試みは地域創生の重要な一角をなすものともなりえます。このオープンカレッジでは以上のような観点から、「ケアの文化と心の伝統―地域社会で求められるケア」について、皆さんとともに考えてまいりたいと思います。
形 態…リアル+オンライン+オンデマンド
主 催…学校法人 大正大学
後 援…一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会/一般財団法人 冠婚葬祭文化振興財団/互助会保証 株式会社
運 営…大正大学 地域構想研究所/大正大学事業法人 株式会社ティー・マップ 共催者