〇テーマ:
「白保サンゴ礁保全のためのグリーンベルト植栽活動」
〇概要:
劣化が深刻化しているサンゴ礁生態系の減少に対し、再生を阻害している要因である陸域(農地)からの赤土の流出を防止するために農地の周辺に在来植物によるグリーンベルト植栽を行う。
〇実施内容:
白保海域にある世界的にも有名なアオサンゴ群集を守る為に、サンゴ減少の原因の一つと言われている陸域(農地)からの赤土流出を防止する効果のある、農地の周辺部に月桃や糸芭焦などの在来植物を植栽するグリーンベルト植栽活動を行った。
2019年6月から2020年2月までの期間で6回のグリーンベルト植栽活動を実施し、集落内にある月桃畑において3回の苗代、活着までの管理と植栽活動の前後の農地対策を行った。また、8月にはアースウォッチ·ジャパンの協力で、研究者と全国から集まったボランティアの方と一緒に、今までの植栽活動の活着状況調査やサンゴ保全活動の調査を行い、 結果を分析し今後の活動に対するアドバイス等いただいた。
なお、3月は植栽活動が3回計画されていたが、新型コロナ感染防止対策の影響で参加予定だった大学やピースボートのキャンセルが続き、準備していた月桃苗等を無駄にしないために、NPOスタッフや自保集落の住民で植栽活動を行った。3月末に予定していた糸芭兼から第六次産業化を目指す勉強会も残念ながら延期となった。
- 2019年
- 6月29日
- しらほこどもクラブ植栽活動 25名
- 6月中旬
- 自保集落内の月桃畑植え付け作業 8名
- 8月3日
- アースウォッチジャパン白保サンゴ礁保全調査 22名
- 8月19日
- 筑紫女学園大学、 福岡県各地の高校生参加 20名
- 9月23日
- ANAインターコンチネンタルホテル職員ボランティア活動 10名
- 10月中旬
- 白保集落内の月桃畑植え付け作業 8名
- 11月下旬
- 白保中学校グリーンベルト活動 31名
- 12月5日
- 東京農大グリーンベルト活動 62名
- 2020年
- 2月25日
- 白保小学校グリーンベルト活動 28名
- 2月中旬
- 白保集落内の月桃畑植え付け作業 8名
- 3月中旬
- 法政大学、 大正大学、 ピースボート キャンセル分の植え付け作業 7名
〇事業者のコメント:
6回のグリーンベルト植栽活動にポランティアとして参加していただいたのは、 エコツーリズムに参加するために石垣島白保を訪れた学生や企業の方が中心であった。植栽前後の説明を聞くことで、サンゴが減少している現状や神縄県特有の赤土流出問題等の環境問題を知るきっかけとなり、 サンゴ保全の知識を深め、環境保全への気持ちを新たにする姿が見られた。この活動により、環境保全活動への理解を広げ、世界的に貴重な白保のサンゴ礁の生態系保全に繋がっていると感じている。
また、参加者からは 「貴重な体験をさせていただいた。これからの生活を見直したい。」 「より海の尊さを改めて感じることができた。」「水の無駄遣いを考えたり、ゴミについて考えたりしたい。」などのコメントを多く聞くことができた。石垣島から帰った後の各自の日常生活の中から少しずつでも環境問題について考え、 自然保護について取り組みを始めたという言葉を見開きする度に、環境保全活動の導入として良い結果を生んでいると感じる。
地元の白保小学校、白保中学校の生徒たちとは、 授業の一部である総合的な学習の時間を活用して植栽活動を行ったが、 植栽するだけではなく事前学音として赤土流出問題やサンゴ礁の被少を含む環境学習も併せて行い、 環境保全に対する理解を深め島の文化や自然の素晴らしさを再認識することができていた。2007年に白保中学校の生徒会と一緒に月桃を植栽して以来、 毎年少しずつでも植栽活動を続けているが、今年度は助成を受け回数や模を増やすことができた。2月末からはキャンせルが続き残念ではあったが、スタッフや住民を中心として活動することができ、 植栽範囲を大幅に増やすことができた。