2019(令和元)年度(第21回)5.愛川芸術就継B みらいのあいの家設立準備室

〇テーマ:

「障がい者アート公募展の作品展「未来つながるパラアートフェスタ」の開催」

〇実施内容:

コロナ禍の中、障がい者の方が芸術活動に触れる機会が少なくなり、アートを通して個性を表現する場もないことから、在宅でも自由に参加できる障がい者アート公募展を初めて企画した。一人ひとりが芸術表現を通してスポットライトが浴びれる発表の場として、またアート作品を反映したオリジナル商品を同時に創作展示し、障がい者アートが将来仕事につながるきっかけになる場として、「未来つながるパラアートフェスタ」を開催した。

実施日 実施内容
2020年 5月~6月 アート公募展の企画立案、チラシ・ポスター作成。
愛川町や座間市の福祉事業所、養護学校、小中学校へ巡回説明。ネットや新聞にも掲載。
7月1日~9月25日 作品募集。
4県(神奈川県、茨城県、千葉県、愛知県)10市町村の方から約130点の作品が集まる。
12福祉事業所、3小学校、1中学校、3県立養護学校など団体での応募が大半を占める。
7月~10月 市場調査、商品化アイデア検討。
他の障がい者アート展(横浜、東京)の市場調査、商品化検討会実施。
地場産業とコラボの検討のために愛川町の絹織物工場を視察。
商品化候補案を選出し専門メーカーを開拓。低価格で上質なオリジナルグッズの試作を開始。
9月26日~27日 審査会開始。商品試作する作品や優秀賞、学校賞、団体賞等を選考。
10月~1月 商品作り。ボランティア団体やクラフト作家等と協力し約50点試作。
当初予定していた愛川町文化会館が閉館状態なので本厚木のあみゅー厚木ギャラリーへ変更。
2021年 2月5日~7日 当初開催日。急遽緊急事態宣言で開催場所が閉館、4月へ延期。
1月~3月 追加試作品制作、展示会の展示物、会報資料、コロナ対策準備。
4月8日 設営準備。保護者の方や他団体スタッフの協力を得て設営。
4月9日~11日 展示会開催。本格的なギャラリー環境で全作品を額装しスポットライトで演出。
3日間で約250人の来場者あり。初日神奈川新聞取材あり。翌日の朝刊に掲載。
最終日には優秀賞、学校賞、団体賞等の表彰式を開催し大盛況に終わった。
4月12日~25日 搬出、作品返却。
〇事業の効果:
    • 実施前

様々なイベントが中止になり、障がい者の方も文化事業へ参加する機会が大幅に縮小していた。
創作したアートを評価し応援してくれる場が少ないので、自信を得る機会を持てていなかった。
創作したアートをどう社会へつなげていくか、相談する機会も無いため、せっかくの個性を活かすことができていなかった。

    • 実施後

本格的なアートとしての展示と商品化の取り組みに対して、多くの参観者が障がい者アートに感動され、応募者の大きな自信となった。また他の人の作品を見て次年度に意欲を燃やす人もいて、継続的な活動として今後も定着を図っていきたい。

優秀賞の他に団体賞や学校賞等を設けたことで、簡易的ではあるが表彰式を行うことができ、個人はもとより、この活動にご尽力された周囲の先生や保護者の方にとっても大きな励みとなった。周りで支える方の思いをつなげていくためにも、登録アーティスト制度を設けた。賛同いただいた方々と今後茶話会等を開催し、商品化や作品展の開催を図っていきたい。

アートを商品化するという新しい試みは、来場者の方からも欲しいという声が多く、障がい者アートを仕事につなげていく可能性を得ることができた。今後魅力的な商品を作る体制と、買う人も売る人も支援活動として受け入れられる仕組み作りに注力したい。障がい者と社会をアートで結びつけるインターフェイスの役割として活動をさらに拡大していきたい。

〇掲載資料: