〇テーマ:
「楽器指導支援プログラム2021」
〇実施内容:
音楽教室や学生オーケストラに参加する機会の少ない障害児たちが心ゆくまで音楽を楽しみ新たな自己表現を獲得できるよう、弦楽器や管楽器などの様々な楽器を特別支援学校に貸し出し、楽器講師を派遣して子どもたちに演奏指導を行いました。11団体の特別支援学校等で継続的に指導を行い、一年間で計241回のレッスンを実施しました。神奈川県立麻生養護学校(9人)、神奈川県立高津養護学校生田東分教室(6人)、神奈川県立高津養護学校川崎北分教室(7人)川崎市立中央支援学校(10人)、大阪府立むらの高等支援学校(32人)、大阪府立茨木支援学校(6人)、大阪府立枚方支援学校(358人)、大阪府立寝屋川支援学校(34人)、市立ひらかた子ども発達支援センター(119人)、いずみプロジェクト(14人)、アンサンブル麻生OBOG会(5人)、計11団体(計600人)が本プログラムに参加しました。新型コロナウイルスの感染拡大により筑波大学付属桐が丘特別支援学校と横浜国立大学教育学部附属特別支援学校では、楽器講師と子どもたちのソーシャルディスタンスを確保し、管楽器の指導の際にはパーテーションを使用するなど、各施設の感染予防ガイドラインを遵守した上で活動を実施しました。子どもたちの障害の程度に応じた様々な曲(「MIDORI Song」「キセキ」「いたずら子猫のミー」「パプリカ」など)を練習し、文化祭などの各校のイベントで披露しました。
〇事業の効果
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- 新型コロナウイルスの感染拡大により公共の場所でのロビーコンサートは開催中止を余儀なくされましたので、障害の有無を超えた芸術の価値を発信するという意味では難しさがありました。しかし、学校の先生からは「学校教育の上でも役に立った」「次年度も楽器指導支援プログラムの継続を希望する」とのアンケート結果をいただいた上で「生徒同士で教え合う様子も見られます。微笑ましいです」「『高価な楽器を使わせてもらっている』という意識、外部の方から教えていただくことで『ちゃんとしなきゃ』という意識もあったように思います。回数を重ねることで生徒の講師の方々とのコミュニケーションにも変化が生まれ、尊敬→信頼も生まれたように見えました」「3回の実施ではありましたが、コミュニケーションの中で積み重ねの成果が見られました。楽器の受け入れや気持ちの表出など、子どもたちが短期間で変化を見せてくれ教員一同嬉しく思います」とのコメントもいただきました。継続的なレッスンを通じて音楽性(表現力)が向上しただけでなく、集団行動や楽器講師とのコミュニケーションを通じて人間的にも子どもたちが成長を成長したことが分かりました。